「ドットを繋いで、どっとおもしろく」株式会社IDM

IDM
もっとも注目されている産業で「ドローン」があります。それをドローンを活用し地域活性化を目指す「株式会社IDM」。代表の樹下有斗氏は大学卒業後、東京都で就職し、その後、大分県で独立した、若干25歳。その経緯と今後の展望を聞いた。

樹下 有斗氏

立命館アジア太平洋大学 国際経営学部を卒業し、人材紹介業界の株式会社グローアップに入社。半年間営業を経験後、経営戦略室としてスカウト型就活サービス「キミスカ」を担当し、サイト規模を30倍に拡大。大学時代の友人2名と株式会社IDMを設立し、代表取締役社長に就任。

ドットを繋いで、どっとおもしろく

樹下Q:株式会社IDMとは、どのような会社ですか?
 「ドットを繋いで、どっとおもしろく」が私たちの企業理念です。

私たちは、大分県別府市にあるAPU(立命館アジア太平洋大学)の同級生3人です。APUは、世界80ヵ国以上からの学生が1つのキャンパスで共に学ぶ環境で、世界の多様性、価値観、文化を日々肌で感じて4年間を過ごしました。そして、各自が東京での社会人生活を経験した後、大分県に恩返ししたいという強い想いから、大分県に移住しました。

 「大分から世界をどよめかせる。」それが私たちの原点の考え方です。そして、企業理念とも繋がるのですが、人と人が繋がった時に革新が生まれます。いまや、東京経由でなくても世界に発信ができる。グローバルとローカルを直結させることができる。例えば観光分野においても、観光客のほとんどは外国人です。しかしながら、外国語での対応やインターネットを駆使したマーケティングなどを積極的に活用できる店や宿は、特に個人経営だと、多いとはいえません。さらにいえば、地域において課題も山積しています。人口減少、若者の県外流出、高齢化、経済の弱体化など。それらを解決するために、地域における仕事の創出は不可欠です。それを私たちが担っていきます。

IDMは、ドローンを活用して、大分県を盛り上げ、やがては産業を創っていく。そして若者が地域で働くことに希望を持てる社会を創っていくいきます。日本が再び力を取り戻すためにも、若者が地域、社会、日本を創っていく世の中にする。それが私たちの使命です。

ドローンで地域課題の解決

ドローンQ:ドローンを使うとの事ですが、詳細に教えていただけますか?
IDMでは、ドローンを活用して地域の課題を解決していきます。地域の課題は多種多様ですが、労働者人口の減少や高齢化は今や蓋然的な現象といえます。現在ドローン産業の市場は、農林水産業、行政、巡視・点検、計測・観測、撮影、輸送・物流、危険区域作業、アトラクション分野において普及していく見通しがあり、市場規模は今後5年間で約4倍になると言われています。

IDMでは短期的な視点からいうと、観光産業内でのドローン活用を視野に事業を展開します。例を挙げると、空撮による地域観光プロモーションや、空撮滞在。空撮滞在とは、ドローン空撮パイロットを招致して、大分県中での滞在を促進し、地域の再発見、観光促進へと繋げます。そして、ドローンレースやドローンイルミネーションなどの定期的な開催も今後大分を盛り上げて行く1つの観光資源として作っていきます

産業を創ること、それを長期的な目標として、まずは大分県において、まだ世界的にも例を見ない「Drone Tourism」を先導していきます。

マーケットを創る

樹下Q:代表とマーケターとしてご活躍されていますが、仕事の面白みや信念など押していただけますでしょうか。
私がマーケターとして活動している理由。それは、「地域で世界が注目する市場、産業を創ること」です。

では、どんなところにマーケットが存在しているかというと、人々の欲望や、人々が抱える問題にこそ市場があります。あるいは、まだ誰も気づいていない、つまり潜在的な市場もありえます。
例えば、大分県別府市は観光産業で成り立っている街ですが、7割が日帰り客です。要は、滞在するほどのコンテンツ力やそもそもの魅力がない、あるいは「発信されていない」といえます。駅前は観光地とは思えない状況で、駅から少し離れた商店街にも、かつての隆盛は見られず、今やシャッター商店街と化しています。そもそも、複合商業施設や薄利多売をするホテルの存在が人の流れを変え、駅前にあった人の流れは消えました。

しかしながら、別府で4年間過ごして思うことは、面白い街だということです。昔は荘園だったり、湯治場だったりしたことも関係するのか、地域の人と話してみると、人情味や広い受容性を感じます。別府市内には200以上の温泉があるにも関わらず、75年間同じ温泉に通い続ける人や、別府88湯を88周した人などがいます。すごく面白いですよね。(笑)他にも、温泉湧出量が日本一であること、秘湯、箱風呂、ところどころにある足湯や立ち上る湯けむり、外国人留学生の比率が日本一高い街であることなど、可能性を持ち合わせているにも関わらず、それが形になっていないことがもどかしくもあります。

資源があるなら、あとは使用目的と使用方法、そしてその対象が問題です。価値があるものが伝わっていないなら、伝えればいい。価値がわからないなら、価値を見つければいい。価値があるものがないなら、創ればいい。マーケターという仕事を通じて、観光だけに限らず、市場、産業を創出し、地域の人々が活き活きと仕事をして稼ぎ、そのエネルギーの波紋を世界まで伝えていきたい。それが私の信念です。

産業を創る

別府温泉
Q:御社の今後の展望をお聞かせください。
今後の展望としては、「大分と世界を直接つなぐ」ことを目標にしています。そして、行政、産業、大学を巻き込んだ、いわゆる産官学協働での事業を行っていきます。産業だけ、行政だけ、大学だけ、ではできることは限られています。そこを密に繋ぐことで、世界をどっと沸かせるようなものが生まれると思います。

先述したように、「産業を創ること」を目標に、大分県でいえば主に観光分野においての市場を生み、その中で雇用を生み、大分県内で就職する人を増やし、若者が地域に残り、まちを活性化させたいです。そして大分県での成功事例が出れば、他の地域への進出、観光分野以外での産業への進出、そしてアジアをはじめとする世界への進出も可能です。地域によって課題は違うので、地域ごとの課題への取り組みを、ドローンを活用して展開させていきます。

目標は大きく

IDMQ:マーケターへ目指している人へ何かアドバイスをお願いします
自分ができているわけではないのですが、敢えて言うと、目標は大きく設定してください。なぜなら、目標が小さいと、日常の意識、行動が小さくなります。小さいことが悪いということを言いたいのではなく、目標が大きいと、仕事の基準がおのずと高くなります。意識の深さや広さも、目標が大きいと、同じ仕事をしていても基準が高くなるので、長期的に見れば結果は一目瞭然です。市場を創る、産業を創る、という目標は、正直大きいことではありますが、どんな大きいことでも、最初は一瞬のひらめきであったり、1人の人間の中で起きたちょっとした爆発程度です。それを自ら形にするかしないかが、目標を形にできるかそうでないかの分かれ目になります。

なので、目標を大きくすること、そしてもっとも大事なのはそこに期限を決め、常に逆算して行動すること。場合によっては新聞やニュース、インターネットで情報を集めたり、人に会って話を聞いたり、繋げてもらったり。マーケターにとって、自分に関係ないこと、というものは存在しないと思います。私の好きな言葉に、「坐辺師友」という言葉があります。これは北大路魯山人の言葉で、「自分の周りのものすべてが、師であり、友である」という意味です。

常にアンテナを張っていれば、地球の反対側で起こったことも、他人事ではありません。そこに市場や産業の可能性が潜んでいるからです。私自身も道半ばなので、これからマーケターを目指す人にとっては、自らの半径10mに世界が存在しているという気持ちで、自ら世界をどよめかせて欲しいと強く願います。

企業紹介

企業名 株式会社IDM
事業内容 ・国内外の無⼈⾶⾏機市場における広告、宣伝、マーケティングリサーチに関する業務及び代理
・無⼈⾶⾏機及びロボット制御システム、周辺機器の研究、開発、製造、施⼯、保守管理、販売及び輸出⼊
設立年月日 2017年5月26日
代表者名 樹下 有斗
資本金 150,000円
メンバー 3名
所在地 〒874-0926
大分県別府市京町11-8
APU PLAZA OITA 2F
URL http://idm-drone.co.jp/